能「野宮(ののみや)」六条御息所の亡霊
          能「野宮(ののみや)」六条御息所の亡霊

 

ようこそおいでくださいました。

 

 

能楽って何でしょう?

 

能楽は、室町時代に観阿弥・世阿弥父子が大成させた歌舞劇、和製ミュージカルです。

日本各地にいた田楽・猿楽集団の中でも飛び抜けていたので、時の将軍・足利義満に愛されその地位を不動のものとしました。

 

能楽を構成するものは、

 

謡(うたい)

・万葉集・源氏物語・漢詩・唐詩などを引用し、七五調のリズムを持つ台本(セリフと歌唱)

・最小限の言葉で情景から心情までを表現

・言葉遊び(ダジャレ、縁のある言葉の組み合わせ)が充実

 

舞(まい)

・ダンスもしくは感情を表現する手段としての動きを、絵画的・彫刻的にまで高めたもの

・白足袋をはいて摺り足・・神事と同じ厳かな気持ちを表現・歩行を芸術レベルまで高めたもの

・簡単な型を組み合わせて情景・心理描写

・意味もなく言葉もなく、ただ美しい形がふと現れて消えていくもの

 

囃子(はやし)

・笛・小鼓・大鼓・太鼓のオーケストラ。囃子方同士が無言で掛け合う緊張感と気合が眼目

・自らハーモニーは持たず、演者や謡にハーモナイズし鼓舞するために、いつも「待っている」

・楽器は敬意を込めて「お道具」と呼ばれる

 

能面(のうめん)

・喜怒哀楽の一瞬の表情、もしくは中間的表情(無限表情)を表わして彫られた木製の仮面

・デザインの細部に至るまですべて規範がある

・光と影や見る角度から、深く様々な表情を生み出す

 

能装束(のうしょうぞく)

・直線で着付けられ、舞台という仮の世界で理想化・象徴化された人物や神を表現するための衣

・日本の伝統的文様を洗練に洗練を重ね、集大成したもの

・数々の文様が持つ特徴を十分に生かし活用することで、舞台効果をさらに高める

・「衣装」ではなく敬意を込めて「装束」と呼ぶ

 

これらの要素に日本人の

 

美意識、道徳、価値観、歴史観、武士道、信仰心(仏教、神道、陰陽道)

 

という古代からのありとあらゆる感性が織り込まれ、700年続く総合芸術として生き永らえています。

 

能の演目は約200曲、全てに物語や教訓があります。

主人公には神様、武士、優美な女性、子を想う母、おっちょこちょいな鬼などバラエティに富んでいます。

また、能役者が面装束を着して舞う姿は、動く美術館とも言えるでしょう。

 

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能楽は、「立体紙芝居」です。

役者が特定の位置でじっとしているのが、紙芝居の各場面に相当します。一人の語り手が声色を変えてセリフやストーリーを説明するところを、能では以下の役どころが担当します。

 

・シテ(仕手・為手:主人公)

・ワキ(「ワキ役」ではなく主人公のわき(そば)に寄り添って物語を進める人)

・地謡(じうたい:登場人物の代弁、ナレーション)

 

観客は静止画を観ているような感覚で登場人物に感情移入し、物語を楽しみます。

 

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グローバル化を突き進む現代、業績主義、能力主義、個人主義など社会には多様な価値観が溢れています。

時代の素早い流れに柔軟に対応できる素養を持つためには、心身の鍛錬が不可欠になっていくでしょう。

 

江戸時代、武士はいわゆる官僚として政治、経済政策、地方自治のすべてに携わったため、指導者階級としての彼らの精神・身体鍛錬方策として

 

・礼儀作法(能楽と武士道は直結:礼に始まり礼に終わる)

・物語を通じての「仁・義・礼・智・信・忠・孝」の実質理解

・日本史・日本文化の多面的な理解

・最小限の文字数に季節感や道徳が織り込まれた日本語の鑑賞力

・丹田に力を入れることによる身体能力の向上

 

を目指す能楽稽古は必修科目になりました。

ゆえに、能楽に親しむことにより胆力が養われ心身が充実し、日本人として揺るぎない自信をつけることができます。

     

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それでは、能楽の「鑑賞法」はあるのでしょうか。

能楽には、決まった鑑賞の仕方はありません。舞台の構成から演出、演者のセリフ・動きに至るまで極端に簡素化されますので、観る人の感性に任せてあらゆる角度から鑑賞する自由があります。

演者の気合いを受け止めるもよし、能面・能装束、音楽を楽しむもよし、さらには眠ってしまうのも・・。そこで見る夢もまた、ひとつの舞台なのです。

能の懐の深さを体感し、身を任せて楽しんで頂きたいです。

 

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能楽の起源は、天照大神を惹きつけ岩戸から出させた女神「アメノウズメ」の舞にあると言われています。

滑稽で面白くエロティックだからこそ、岩戸をも動かしたのです。

 

芸術は本来、人間的で滑稽なものです。人も文化も進化するにつれて、それは必然的に失われていくでしょう。

ただ、どんなに進化しようと人間の肉体は変わらないのです。なんらかの形で原点に立ち戻らなかったら、芸術は根無し草になってしまいます。

 

能楽の命を永らえさせているのは、このエネルギーなのかもしれません。

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★更新履歴★ 

2018.08.13《講座・講演会他予定》10/14 「見て聞いて触って楽しむ能楽」の御案内

2018.07.26《講座・講演会他予定》六本木アカデミーヒルズ主催講座”能”から学びとるビジネス感度」スタッフレポート掲載 

2018.07.08《能の物語を読む会・能楽茶話会》8/12 第59回能楽茶話会の御案内、8/19 第回43能の物語を読む会のご案内

2018.07.02 《講座・講演会他》 7/22 おもしろ能楽塾 番外編のご案内

2018.05.10《講座・講演会予定》六本木アカデミーヒルズ主催講座のご案内

2018.05.04《ENGLISH:Noh Performance》《FRENCH:Représentation publique de No》7/14 Noh"Tanadori" 

2018.05.02《能の物語を読む会》5/20 第40回能の物語を読む会の御案内

2018.04.18《講座・講演会予定》5/17 津田塾大学公開講座「総合2018」のご案内

2018.04.05《公演予定》7/14 久習會「能「忠度」」、《講座・講演会他》7/4~6 おもしろ能楽塾のご案内

2018.02.26《能楽茶話会》3/18 第54回能楽茶話会、裏茶話会の御案内

2018.02.18《能の物語を読む会》3/25 第38回能の物語を読む会の御案内

2018.02.11《徒然のつぶやき》大学生によるロングインタビュー

2018.02.08《Panel Discussion in English》3/5"Let's talk about a Japanese dance and Noh entertainment !"

2018.01.22 《講座・講演会他》 3/18 春陽の能楽懇談会のご案内、3/29~31おもしろ能楽塾のご案内

2017.01.15 《Noh Lecture》‟NOH ~The technique can be imagined~”

2017.12.27《能の物語を読む会・能楽茶話会》1/28 第36回能の物語を読む会、1/21第52回能楽茶話会の御案内

2017.11.10《講座・講演会他》11/12 おもしろ能楽塾ハードボイルドのご案内

2017.11.02《講座・講演会他》 12/24 クリスマス・イヴ能楽懇談会のご案内

2017.09.01《講座・講演会他》11/27~29 おもしろ能楽塾のご案内

2017.08.29《公演予定》 12/11 久習會「能「船弁慶」」のご案内

2017.08.28《Noh Performance》12/11 Noh"Funabenkei"
2017.08.28《Représentation publique de No》12/11 No"Funabenkei"